ひまじんのいまじん(仮)

息抜きに呟いています。テーマが一貫していません。加筆修正ばかりします。

すまし顔



「ちんこ知ってますか」

丹下はひどく気を悪くした。何せ、ユクテ月のap-1日 午前10時台の山手線、御前だけの空間じゃないんだよとたしなめたくなった。だがその気も例のごとく鎮火。というのも、彼の元来の愛されキャラは、生政治的な様相で各々の心を捕まえて離さないからだ。彼は、蛇のうねりのように形を留めず全方位的に放射される。彼のパーソナリティは公共施設の無料WiFiのように不思議と彼を視認する人皆を許容するのだ。彼は〈共〉(コモン、英:common、生年月日不詳)だった。

丹下はちんこを知っていたが、断りの通り環境が山手線での移動中だった為、辛くも無視した。その代わり普段通り慈悲深く、彼の方を僅かに向きしな彼にだけ分かるような会釈を返した。



丹下は目的の駅に着いた。周囲の人の流れに身を委せ改札口を出、目的地へいざ。空は青々とし、時折生温く感じられる風が吹いて、スピッツの30作目のシングル『春の歌』を演出するようなそれだと感じた。

方向音痴な手前、事前に確認した脳内のGoogleアース画像と右手のGoogleマップを駆使し経路を辿っていると、やはり予想通り路地に入り込んだ。

〜脳外〜
目線をきもち上にして前後左右(上下)を確認し→やはり道に迷ったということを自覚すれば→やはり右手の先生は放任主義。やはりここでため息をつきそうになるが、やはりため息をつくと幸せが逃げるとの小学生来の母の教えが頭をよぎり、やはり意識的にゆっくり息を吐いた。
(尚、このエピソードはのちのミリオンセラー『やはり、ね…』の原体験として知られるところ)

〜脳内〜
(こびとA)That's ルゥティン!ルゥティン!
(A,こびとB)ルゥ、ティンティン!
(ふかわ)ティン!
(A)Yeah!That's it, That's it. My turn is over.
(B)ティンティンit?
(A)そう!ティンティンit。That's Entertainment☆
(applaud)

やはり心の中だけはあっためておくことにしているのだ。

どうしようかなァ、と軽めの呆然を装飾気分でまとっていると、目に付く其処彼処の記述跡や数m先でたむろする白衣眼鏡の話し声などから、ここがどこか察しがついた。今年度から全国の各自治体主導で始まった学芸振興事業「世界平和と人類の幸福の実現に貢献する高い志と人間力及び洞察力をそなえるグローバルリーダー創成のための学術、芸術及び多文化共生推進に関する方策」の一環、特別学術解放地区政策のここは数学区の実地。丹下はここの空気感に学校制時代の受業を思い出し気分を害しつつも立場を弁え、公空間用音声メモリーフに本解放地区発展を祈願して2分程演説した。そうしてそそくさともと来た道を戻って路地から出、再出発した。



丹下はふと彼を起動したくなった。まだ目的地には着かないものの悪くはないだろうと、右手の経路には従順に左手の掌をお天道様にかざした。
♪僕らは皆生きている 生きているかプツッ
結構すぐ出た。すると彼は開口一番耳元でこう呟いた。

「ヒグマノパンチョは宝物おいshイ」

丹下はゾクッとした。焦った。反射的にもう彼とは分かり合えず仕舞いになるかもしれないことを知覚して、くそと思った。すると(この間1,2秒)いつになく彼から言葉が続く。

「フッフーコガタンゲ、ナニユエアナtは走るノ?共ニ人間ニよル人間ノ生産w¢⁑’⊿‖a〒∝…」

丹下は夢から目覚めた。















部屋の右奥からバッハの『ゴールドベルク変奏曲よりアリア』が聞こえてくる。そのとき、昨晩からMedia Goを働かせっぱなしだったことに気づいたが、その認識が微睡みに戻ろうとするのを妨げると分かった為、音ごと無視した。痒む左目の下まぶた付近は左手親指の第一関節を押し付けておいた。

すると突然丹下に、世間的な丹下が憑依した。身体を駆り出した丹下は飛び起きて、まず本能的に雨戸を開けにでた。すると外はじめっとして雨がパラついている。どんよりとした。昨日の天気予報で薄々分かってはいたものの、予報通りであることに気落ちしたのだ。窓を半分網戸にして寝床へ戻り、世間的な丹下の憑依を認めたまま座って、そして考えた。2時間程考えたが答えが出ない為、飯を食べに出かけた。飯を食べに行く道中は歩きながら考えた。また飯屋に入り飯にありついている最中も、続け様に考えていた。これには煙たい気持ちもあって本当は嫌だった。が、仕方なく考えた。飯を食べ終わり寝床へ戻る間も、暇でまた考えていた。



寝床に着いた。しかし寝床に着いたことには気づかず考えていた。これは全く無意識で嫌気も何もなかったが、考え続けてはいた。そして寝床に着いたことを自覚した瞬間、丹下は飯を食べる前の世間的な丹下を憑依したときの自分から、見た目も中身も見える景色も全く変わっていないということに気付いた。悲しくなった。小学1年のときの参観日の受業で、衆人環視のなか先生から指名を受けた場面を思い出す。その場でうまく答えられず戸惑い、泣き出しそうになる当時の自分は、周りの女の子数人に慰められ更にいたたまれなくなって泣いた。当時は得も言われぬ感情で、自分では言語化不能だった、あのやりきれなさ・虚しさに近い。痒まない左目の下まぶた付近を左手親指で押すと、何故か頬骨から陥没した。急にさびしくなった丹下は考えることを止め、Media Goのクラシックプレイリストをシャッフル再生した。ショパンの『華麗なる大円舞曲』。にわかに負けを悟った。丹下は、せめて散り際は曲中に潔く、という思いのこみ上げてくるまま急いで隣の部屋から革のベルトと高さ調節可能の椅子を準備した。全自分を使い果たさんとする意気込みで、輪を作る為の高くてかつ頑丈な場所を(保守的かな)ベルトをひっかけながら部屋中に探す。しかしなかなか見当たらない。地団駄を踏んで曲を中盤から後半に差し掛からせると、焦ってどうしようもなく包丁を頸動脈にと腹を括ろうとする。が、勇気も出ず。結局そうこうする間に曲が終わってしまった。丹下は自らのつくづくクズなことを確認し喪心、その場で大の字になって寝た。



丹下は来客のピンポンで目覚めた。すると同時に左頬の悪魔が牙を剥いた。痛い。あきれる程真っ直ぐに痛い。痛すぎて、「起きた瞬間から容赦なく患部に鎌を振り下ろす悪魔の攻撃姿勢には、かのプーチン総統も脱帽だ」などというアメリカンな実況が流れた。丹下は、こんな自分にも頬が痛すぎるときは一時的に主観を上に放り投げるという防衛本能が備わっていたことに、我ながら感心した。それにあわせ、全世界のあらゆる種類の楽天家を有名税の控除目的で近所に集め、imagineを斉唱しながら諸共焼け死に、というのをやりたくなった。

諦めても背を向けても誤魔化せない、左頬が痛い。諸要素が複合的に絡む堪らない萎えに、まぶたを閉じて対処していた。が、どうにも鳴り止まないピンポンが萎えを指数関数的に増幅、一個人の萎えの許容を無視し致死量に達せしめようとする目論見を察した為、自衛のため緊急に、そして心を無にして出て行った。扉を開けると目深に帽子を被りマスクをした中背の男が一人、目の前に現れた。男は左手で帽子のつばに触れ会釈すると、無言で左肩から倒れてきた。一瞬だけ左胸がほんわかし、なるほど後は早かった。丹下は措置代が心配になって寝た。










始めましたクリックお願いします。




にほんブログ村


にほんブログ


にほんブログ村 大学生日記ブログへ
にほんブログ村



にほんブログ村


にほんブログ村